たばこと健康について
たばこの煙には、4,000種類以上の化学物質が含まれ、250種類以上の有害物質が含まれています。
たばこを吸うと、がんや心筋梗塞、脳卒中、認知症、メタボリックシンドローム、うつ病など、病気のリスクが高まります。さらに、たばこは喫煙者自身だけではなく、その煙を吸わされる受動喫煙により、周囲の人々の健康へも大きな影響を及ぼします。
たばこを吸う人も、吸わない人も、たばこについて正しい知識を持ち、自分自身や大切な人をたばこの害から守りましょう。
天理市では、たばこ対策として、受動喫煙防止の普及啓発や保健師によるたばこに関する情報提供や各種健康相談を行っています。
喫煙と受動喫煙の害について知ろう
たばこの煙は危険!?
たばこの煙には、大きく分けて喫煙者自身が吸い込む主流煙と、火のついた部分から立ち上る副流煙の2種類があります。
たばこの煙の中に含まれる、代表的な有害物質は次の3つです。
代表的な有害物質
- ニコチン…血圧を上げたり、心拍数を増やして、心臓へ負担をかけます。たばこをやめられないのは、ニコチンに依存性があるためです。(ニコチン依存症)
- タール…発がん性物質が多く含まれています。特に肺の場合は黒くなり、その働きを低下させます。
- 一酸化炭素…ヘモグロビンと結びついて、血液が酸素を運ぶのを妨げるため、心臓の負担が大きくなります。
これらはほんの一部で、たばこの煙には200種類以上の有害物質が含まれていると言われています。また、たばこから立ち上る煙(副流煙)は、フィルターを通っていないため、たばこを吸う煙(主流煙)より、ニコチン、タール、一酸化炭素が2~4倍多く含まれます。これらの有害物質により、肺がんに限らず、様々な疾病のリスクを高めることが明らかとなっています。
リスクが高まる疾患の例
- 循環器疾患・・・心疾患、脳卒中、末梢動脈疾患
- がん・・・肺がん、咽頭がん、食道がん、胃がん
- 呼吸器疾患・・・慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、肺炎
- その他・・・歯周病、二型糖尿病、脂質異常症、妊娠合併症
最新たばこ情報(健康ネット)(公益財団法人健康・体力づくり事業財団)
受動喫煙の害
受動喫煙のおもな害
- 成人:肺がん、心筋梗塞、脳卒中
- 妊婦:低出生体重児、乳幼児突然死症候群
- こども:肺炎、気管支炎、気管支喘息、中耳炎、乳幼児突然死症候群
また、2歳以下のこどもの誤飲事故は、たばこが一番多くなっています。(たばこ一本のニコチン量は16~24mg、子どもの致死量は10~20mgです。)
参考資料:厚生労働省、財団法人日本中毒センターHP

受動喫煙対策について
平成30年7月「健康増進法の一部を改正する法律」が成立し、令和2年4月より全面施行されています。 このことで、望まない受動喫煙を防止するための取り組みは、マナーからルールとなっています。
健康増進法の改正の趣旨
1.「望まない受動喫煙」をなくす。
受動喫煙が他人に与える健康影響と、喫煙者が一定程度いる現状を踏まえ、屋内において、受動喫煙にさらされることを望まない方が、そのような状況に置かれることのないようにすることを基本に「望まない受動喫煙」をなくす。
2.受動喫煙による健康影響が大きいこども、患者等に特に配慮
こどもなど20歳未満の者、患者等は受動喫煙による健康影響が大きいことを考慮し、こうした方々が主たる利用者となる施設や、屋外について、受動喫煙対策を一層徹底する。
3.施設の類型、場所ごとに対策を実施
「望まない受動喫煙」をなくすという観点から、施設の類型・場所ごとに主たる利用者の違いや、受動喫煙が他人に与える健康影響の程度に応じ、禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、掲示に義務付けなどの対策を講ずる。その際、既存の飲食店のうち、経営規模が小さい事業所が運営するものについては、事業継続に配慮し、必要な措置を講ずる。
施設の類型
施設の類型

三次喫煙(サードハンド・スモーク)について
三次喫煙とは、たばこの煙を直接吸い込む受動喫煙とは異なり、たばこの火が消された後も残留する化学物質を吸い込むことをいいます。喫煙者の衣類、喫煙した部屋や自動車のソファやカーペット、カーテンなどの表面に付着して残留することが知られています。それが再放散し三次喫煙が発生すると考えられています。部屋で過ごす時間が長い乳幼児がいるご家庭は特に注意が必要です。
また、喫煙者が喫煙したあとの呼気には大量のガス状有害物質が含まれますが、喫煙前の状態になるには45分間必要であることが実験で証明されています。
三次喫煙を防ぐには、
★喫煙したら、45分間は屋内に戻らない
★屋内に戻るときは、髪の毛はシャンプーして、衣服も洗濯…しかもそれを屋外で!
そんなこと無理!と思ったら、禁煙にチャレンジしよう!
喫煙マナーを守ろう!
喫煙マナーにご協力を
天理市役所は、皆様のご協力により敷地内禁煙となっており、隣接する場所でも「望まない受動喫煙」が生じないように、喫煙はご遠慮するよう引き続きご理解とご協力をお願いします。
喫煙者の方には、吸わない方への配慮や、もう一歩上のマナーのご協力をお願いします。
歩きたばこはやめましょう
小さいお子さんなどは目の高さに火のついたたばこがあり、とても危険です。
人通りの多い場所での喫煙はやめましょう
- 病気をお持ちの方の場合、喘息など病気の種類によって発作を起こしやすくなるなど、影響が出る場合があります。
- 広い場所でも、たばこの煙は広がってしばらく停滞しています。こどもたちが遊んだり、皆さんがくつろぐ場所での喫煙も気をつけましょう

新型たばこ(加熱・電子たばこ)も危険
加熱式たばこはたばこ葉を使用するためニコチンを含む有害物質が発生します。
紙巻きたばこから加熱式たばこに切り替えても禁煙にはなりません。
注釈:電子たばこはニコチンを含むものの譲渡・販売は法律で禁止されていますが、個人輸入等で入手した電子たばこにはニコチンなどの有害物質が含まれている可能性があります。
加熱式タバコ問題の啓発のためのパンフレット掲載ページへ(日本禁煙推進医師歯科医師連盟)下記のチラシがご覧になれます

禁煙を考えている方へ
勇気の一歩、踏み出してみませんか?
「禁煙は苦しい」と言われたのは昔の話で、今は薬を使って楽に禁煙出来ます。
薬局で市販されているニコチンガムやニコチンパッチを使えば、禁煙中のイライラが減り、1~2ヵ月でやめられる人が多いです。
また、医療機関では、保険適用で禁煙のための治療も受けられます。
天理市内で禁煙支援が受けれる禁煙支援医療機関(令和6年2月現在)
白濱医院(0743-63-2321)
宮城医院(0743-63-1114)
ささきクリニック(0743-69-5050)
寺西医院(0473-62-6655)
小林クリニック(0743-66-0300)
松山医院(0743-67-7056)
張田耳鼻咽喉科(0743-63-4976)
奈良県で登録されている禁煙支援医療機関及び禁煙支援協力薬局(奈良県ホームページ)
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禁煙を継続するためには、禁煙をする仲間や日常でのちょっとした工夫や知恵が役に立ちます。
奈良県では、インターネット禁煙マラソンを奈良県在住・在勤の方に無料登録できるサービスを提供しています。
インターネット禁煙マラソンとは、電子メールや掲示板で禁煙に関する情報が得られ、禁煙をしている仲間や禁煙に成功した先輩との掲示板での交流、また、禁煙支援の専門家への質問等ができるサービスです。
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更新日:2025年10月27日